「Chapter12 メモ同士をつなげれば、次から次へアイデアが発展していく」を読む
英語版は「Develop Ideas」
Chapter12 メモ同士をつなげれば、次から次へアイデアが発展していく
目の前にあるメモを見てつなげよう
「索引」は、メモを見つけられるようにするサブの位置づけ
自分のメモを見返したときの「驚き」が大事
「索引」の役割はメモのつながりへのただの入口
そのとき興味がある 「全体的な概要」メモをつくって索引を貼るのがベスト
キーワードは「自分が取り組んでいる問題から」考える
キーワードは、新しく考え直してつける
リンクを貼るときは、メモのつながりを強く意識する
リンクは、無関係なメモ同士のつながりをつくる魔法の道具
リンクを貼ることは、ただのメモの整理ではなく、大事な思考の一部
メモを入れたときに矛盾が見つかるのはとてもいいこと
新しいメモにより、古いアイデアがどんどん磨かれていく
暗記した内容を吐き出すだけの人間は失敗する
ツェッテルカステンを使っていると「このメモが大事だ」と直観でわかるようになる
「常に同じようにメモをとる」から思考がはかどる
目の前にあるメモを見てつなげよう
新しいメモは、既存のメモにつなげて書くのが理想
常に可能というわけではない。特に開始したばかりのときは。
慣れてくると、つなげて書くことがデフォルトになってくる
関連するメモの「真後ろ」に置くことができるようになる
ルーマンは枝番号を使っていた
階層的な順番を持たない無限の、メインのメモ、サブのメモを展開できた
当初はサブだったメモも、時間と共に関連するメモが増えて、サブトピックを持つメインのメモに昇格させることができる
Schmidt,2013
デジタルツールならもっと簡単
自動的に番号・バックリンクを割り当ててくれる
メインになりそうなメモをあとで好きなときに作成できる
一つのメモで複数の異なるメモを同時にフォローできる
手書きでもデジタルでもメインメモがテキストの展開における大黒柱
rashita.iconここまでで、メインメモ・サブメモについての解説はあっただろうか?
突然出てきた印象。
「何度もいうように、抽象的な順序と、トピックに関連して並べ替えられるリアルの順序の長所を合わせ持っている」
rashita.icon何度も言われてきただろうか?
メモの価値は、食い込まれているメモや参照のつながりによって決まる
ツェッテルカステンは百科事典を目指して作るわけではない
思考のためのツール
完全性(網羅性ということだろう)を求めなくてもよい
一連のメモの情報に穴があるというだけの理由で、新たなメモを書き起こす必要はない
自分の思考に役立つときだけ書けばいい
注意を向けるべき穴は、最終原稿の主張の穴だけ
ただしその穴は、次の作業でメモを取り出し、草稿を書くために順番に並べたときにはじめて明るみになる
ひとつのトピックからなっていないので、草稿のための概要をこの段階でまとめる必要はない
そもそもツェッテルカステンの概要をまとめることは不可能に近いと認識しておく方がよい
ツェッテルカステンは記憶を拡張するための仕組み
考えるためのもので、思い悩む対象ではない
rashita.icon記憶を考えるという行為の関係性はどうなっているのか
メインのメモは知識の塊
複雑さから秩序が生まれている
情報をとり出してかき混ぜ、さまざまに組み合わせているうちに、新しいパターンが生まれてくる
そのパターンを新しいテキストに構成するというのが執筆作業になる
「索引」は、メモを見つけられるようにするサブの位置づけ
メモを追加したら、それを必ず見つけられるように索引をつくる
ルーマンの索引のつくりかた
メモの中からキーワードになるものを選び、別のインデックスカードにタイプライターで索引をつくった
キーワードを索引として並べる
キーワード数を絞って慎重に選ぶこと
rashita.iconCosenseのリンクをつくる考え方も似たところがある(なんでもリンクにすればいいわけではない)
索引に書くメモの番号はひとつかふたつに絞っていた
rashita.iconどれか一つが見つかれば、あとは芋づる式にたどっていけるからだろう
索引からそれぞれのメモに飛べることではなく、自分の思考のながれ→メモのつながりをたどることの方が重要だから
rashita.iconじゃあ、デジタルではどうしたらいいのか。簡単にリンクが作られるデジタルでは?
自分のメモを見返したときの「驚き」が大事
索引を起点とすると、探している内容が常にあらかじめわかっている必要がある
rashita.icon本当に?
十分に練り上げた計画が頭のなかになければ、完成度の高い索引は作れない
rashita.icon完成度の高い索引とは具体的にどのようなものを指しているのか?
ツェッテルカステンを導入する中心的な理由はメモを整理するタスクから脳を開放するため
さらに、自分でも長い間忘れていたアイデアを、驚きと共に思い出させてくれるだけでなく、新しいアイデアを思いつくきっかけになる
驚きの要素は索引を直接探しているときではなく、互いにつながったメモを参照しているときにあらわれる
rashita.iconCosenseの利用で頻繁に起こること
「索引」の役割はメモのつながりへのただの入口
索引の役割は入り口
ほとんどのメモは、他のメモを通じて見つかる
入り口には賢く選んだメモが少数あればいい
索引から具体的なメモに到達するのが早ければ早いほど、頭の中で組み立てたアイデアから、それに関連するメモを見つけることができる。
rashita.icon「具体的なメモ」はここでは何が指されているのか。それが早く見つかるほど、関連するメモが見つけられるようになるのはなぜか。
そうすることで、すぐさま「事実に基づくツェッテルカステンとの対話」ができる
rashita.icon「事実」を扱わない執筆ではこの説明はどう成り立つのか。それともそうした目的では使えないのか。
ツェッテルカステン全体の概要を得ることはできないが、特定のトピックの概要を得ることはできる
トピックとサブトピックの構造も思考の結果なので、固定されることはなく再検討の可能性にさらされている
そのとき興味がある 「全体的な概要」メモをつくって索引を貼るのがベスト
文章全体のトピックも、上位の階層ではなくメモの内容に基づいて決まる
トピックあるいはサブトピックの概要を作りたい場合は、新しいメモをつくり、索引からこのメモにリンクを作成する
メモに書かれた概要が、塊やトピックの状態を適切に表さなくなったら(あるいは著者として構成を変更することに決めたら)、構成を改善したメモを新たに書き、索引からのリンクを構成する
これは重要なことで(rashita.iconたしかにに重要)、トピックの構成に関するあらゆる検討事項も、他の検討事項と同じで変更されるし、理解の進展の影響を受ける
キーワードは「自分が取り組んでいる問題から」考える
索引のための一番よいキーワードの選び方
「内容を忘れたとしても、自分がこのメモをもう一度思うのはどんな状況か」と考えること
「このメモを表すのに、どのキーワードが最もふさわしいか」
具体的にやること
まず、ツェッテルカステン全体にさっと思いを巡らせ(rashita.iconこれは単に想起することなのか、それともざっとカードをくることが含まれているのか)、その中ですでに考えている疑問や問題のなかで、新しいメモが追加されそうなところを検討する
キーワードを割り当てると、それだけでメモを特定の文脈に割り当てたことになる
意味が付与され、その文脈ならではの問いも持ち上がる
rashita.icon自分の興味を中心にしているという言い方もできる
キーワードは、新しく考え直してつける
キーワードは、メモを単独で見て考えない
常に自分が取り組んでいるトピックや関心のあるトピックから決める
機械的に決められない。人間が(というよりも自分が)考える必要がある
キーワードの選択は、事務処理よりもずっと奥の深い仕事
リンクを貼るときは、メモのつながりを強く意識する
優れた相互参照をつくるには、人間が真剣に考えることが重要
思考を発展させるために欠かせない
ルーマンがつかった4種類のリンク
(デジタル版に関係あるのは、1と2だけ)
1. トピックの概要を示すメインのメモへのリンク
索引から直接されるようなメモ
概要が必要なほど大きく発展したトピックへの入り口として使われる
こうしたメモには、他のトピックや問いへの関連メモへのリンクを集められる
rashita.iconリンクの種類の話をしているのか、メモのタイプの話をしているのか微妙にわからない
思考全体の構成を考えるためにも役立ち、原稿を発展させるための要
使い手が、ツェッテルカステンに慣れるために役立つ
ルーマンは、こうした入り口用のメモに対して、最大25個のリンクをつけた
何が関係し、何が関係しないのかという判断は、使い手の現在の理解に関わっている
真剣に検討しなければならない
メモ同士が関係するかどうかお判断は、アイデアの元となる事実と同じくらい、アイデアを形作る
自分が持つトピックとの関連や、トピックとの構成方法は時間がたつにつれて変わる
変化したら、より適切なトピック構成をかいたメモを作成することが必要な場合もある
「新しく作成したメモは、前のメモを確認することができます」
rashita.icon日本語として意味が取れないのだけども
この操作で、他のメモが無駄になることはない
2. メモからメモへの直接的なリンク
二つのメモの間につながりがあることを示す(それだけ)
(デジタルでは)関連する二つのメモ内の単語を直接リンクする
3. 思考の流れをたどれるようにしたリンク
デジタルならタグにあたる
rashita.iconほんとに?
ルーマンはメモとメモの間にサブトピックを追加していた
当初の思考の流れ(テーマ)が、数百枚のメモで遮られることもあった
当初の思考の流れがわかるリンク集のようなメモを作っておく
「1」のリンクガ、ツェッテルカステンのあちこちにあるトピックの概要を追跡するものに対し、物理的に近くあるメモ同士でのつながりを追跡するために必要
デジタル版では、直接そのメモにどんなテーマなのかのタグをつける
rashita.iconここでいう「テーマ」は何を意味しているのか
4. 現在のメモがフォローするメモと、逆にフォローされるメモを示すリンクの一覧
隣同士でなくなったにもかかわらず、相互フォローの関係にあるメモを確認するためにのみ重要
リンクは、無関係なメモ同士のつながりをつくる魔法の道具
リンクは、一見無関係なトピック同士のあいだに、驚くべきつながりや共通点を見出すために役立つ
ルーマンの社会学での思考法が、ツェッテルカステンの構造と呼応している
rashita.iconだとしたら、使い手の思考法と合致する情報操作の手法が必要だ、という風に発展できるのではないか?
リンクを貼ることは、ただのメモの整理ではなく、大事な思考の一部
リンクの作成は、ファイルボックス管理のような単純なものではない
rashita.iconファイルボックス管理が単純だとなぜ決定できるのか?
有意義なつながりをみつけることは、完成原稿に書かせない一部
自分の記憶ではなく、文字通りファイルボックスをくまなく探して、つながりを見つける
rashita.icon「入り口」となるメモで終わらせるのではなく、くまなく探すというが、デジタルツールでくまなく探すというのはどういう作業なのだろうか。
メモをきちんと使えば、系統立てた思考ができるようになる
使い手自身のアイデアが、事実、考え抜かれたアイデア、検証可能な参考資料のネットワークに基づくようになる
さながら、博識なのに地に足のついた話し相手ののように
現実離れしたアイデアをツェッテルカステンに入れようとすると、「参考文献は何か?」「手持ちの事実やアイデアとどうつながるのか」という点を必然的にチェックすることになる
rashita.iconこの点でも、たとえば小説やエッセイ用の情報整理システムとしては使えない。
メモを入れたときに矛盾が見つかるのはとてもいいこと
メモを追加するときに、すでにそのメモが入っていることに気がつくことがある
それが他人のアイデアだったと気がつくことも
よって、ツェッテルカステンを使っていると幻滅を感じることになる
rashita.icon梅棹も、カードの有限性にがっかりする、ということを書いていた
rashita.icon一方で、外山は、自分のメタノートを眺めて「自分の思考がここにある」という満足感を報告していた
微妙に違いがある似たメモから、その違いについて論じることもできる
書き留めて、参照できるようになっているからこそ、可能なこと
比較できることによって、矛盾やパラドックス、対立意見を見つけることもやりやすくなる
洞察を得やすくなる
問題が発覚するのはよいこと
解決すべきことができたから
新しいメモにより、古いアイデアがどんどん磨かれていく
新しいメモの追加が、古いメモの再検討にもつながる
これを補うためには、そのテキストを特に批判的に読み、情報の抽出を慎重に行う必要があります。主張については常に原点をチェックしなければなりません。
rashita.icon古いメモを再検討したときに何かしらの矛盾があったとしたら、そのときは書かれたメモではなく原点をもう一度確認する必要があるだろう。一度メモを作ったらもうテキストは見なくても良くなる、という主張はかなりの誇張を含んでいるだろう。
正の特徴効果
(頭の中で)簡単に利用できる情報を高く見積もってしまうこと
暗記した内容を吐き出すだけの人間は失敗する
チャーリー・マンガーのお話
現実を把握するために広範な理論を知っておくことが重要
あらゆる学術分野についてもっとも有力な概念を見つけ、その徹底的な理解をして、自らの考えの一部とすることをすすめた
さまざまな考え方の枠組みが融合し、自分の経験とつながりはじめた瞬間に「世の中の知恵」と呼ぶ知の蓄積がはじまる
重要なのは、わずかな数だけでなく、数多くの幅広い考え方の枠組みを頭の中に構築しておくこと
頭の中にモデルを持っておくこと。
本当に賢い人とは、何でも知っている人ではなく、幅広い理論を資源として活かし、ものごとの意味を理解できる人
ツェッテルカステンの中にある「構造」に注意をむけること
以下の行為において、アイデアの背後にある原則に注目するようにする
メモを執筆、追加、リンクするとき
パターンを探して最も明白な解釈を越えて考えるとき
ものごとの意味を見出そうとするとき
さまざまなアイデアを組み合わせて思考の流れを展開するとき
ツェッテルカステンを使っていると「このメモが大事だ」と直観でわかるようになる
直感は、理性や知の対義語ではない
知的な試みの実践的な面
直感による経験の蓄積の上に、形式知が意識的に構築される
メモを取る場合でも、問題や疑問を注意深く検討できるようになるまでには経験が欠かせない
rashita.iconそれができるようになるまでの期間をどうデザインするのか
スローハンチ(ゆっくりとした予感)
by スティーブン・ジョンソン
アイデアを自由に混ぜることのできる実験的空間が重要
イノベーションは突然のひらめきの産物ではなく、改善に向けた一歩一歩のステップ
だからこそ小さな違いを探すことが重要
rashita.icon小さな違いに注意を奪われてしまう懸念がないわけではない
「常に同じようにメモをとる」から思考がはかどる
デジタルのメモも、スペースが制限されているかのように扱うのが良い
ルーマンはA6サイズ、デジタルでも1画面内に収まる(ノースクロール)のがよい
ツェッテルカステンはユーザーにかなりの制約を課すが、それがいいところでもある
メモ1枚に一つのアイデア、という形になっているから自由に組み合わせがきく
rashita.icon規格化の効果
文献や思考を扱うときも、常に同じになる
標準化によって、メモの技術が習得しやすくなる
制約があるのは、現代的な風潮に反しているが、実際は朗報
明確な構造があると、構造から何かを見て取りやすくなる
まとめ記事